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第3章 恋しくて

「…もう…ダメ…。」

二宮さんが口を離した。

「ごめん。」

「ううん。風邪が移るといけないから。」

風邪が移ってもいい

そう思ったけど。

恐る恐る…

そんな感じで俺の胸に頬をあてたから俺はそっと抱きしめた。

しばらくそうして。

離れるのは辛いけど二宮さんの手を取って寝室へ連れて行った。

横にしてタオルケットを掛けて。

髪の毛を撫でて。

「たくさん寝てね。俺は帰るよ。」

俺は立ち上がった。

二宮さんは寂しそうな目をしたけど、

「ありがとう。」

と言ってくれた。

「カギ。閉めたら玄関ドアの郵便受けから中へ落とすね。」

「うん。」

「おやすみ。」

「ありがとう。」

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