快楽教師
第5章 遅刻
パラパラと雨が降ってきた。
またこの先で車が増えるのだろう。
今日は朝礼も間に合わないなぁ…
前の車が進んだ。
溜め息を着きながら、私はアクセルを踏む。
――――――
「おはようございます!すみません遅れました!!」
息を切らして、図書室へ足を踏み入れる。
朝礼中には、なんとか間に合ったようだ。
「大丈夫だった?濡てるよ」
「ありがとう」
入り口前の席に座る田辺先生がハンカチを貸してくれる。
駐車場から学校内まで傘を差さないで来たため、雨で少し濡れてしまったようだ。
「新職員のクセに、朝礼に遅刻するだなんて」
ぼそっと曽根崎先生が私を睨みながら言う。
曽根崎先生は40代の生徒部。
もうこの職に就いてから3年経つのに新職員?…
「申し訳ありません」
「謝ればいいってもんじゃないのよ?あのね…」
「まあまあ、今日は大雨で渋滞してましたし」
曽根崎先生の言葉を遮りつつ、フォローを入れる茅原先生。
そして私に向き直り、「高坂先生はあの席です」、と指差す。
やっぱり、茅原先生…!素敵です!!