快楽教師
第5章 遅刻
礼をした瞬間、尻を軽く叩かれた。
痛っ…!?
東妻だということに、直ぐに気付いた。
職員全員の集まった朝礼中にこういう事をするのはちょっと止めて欲しい。
しかも隣は、本命の遠藤先生が居るのだから。
気持ちを伝えるべく、東妻を睨む。
「着席」
しかし、東妻は前を向いたまま。
「香坂先生?いかがされましたかな?」
ずっと東妻を見ている私を不思議に思ったのだろう、教頭が首を傾げている。
東妻でさえ、こちらを向いて「大丈夫?」なんて聞いてくる。
素知らぬ顔をしているが、右手は百合子の微肉をぎゅうっと摘まんでいる。
ちょっと、痛いっ……。
声に出したい気持ちを飲み込み、
「なんでもないです」と笑った。