快楽教師
第5章 遅刻
東妻に尻をつねられている彼女は、眉根を寄せて痛みに耐え、微かに唇を噛み締めている。
こんなに苦しそうな表情の香坂先生は、放っておけない。
やはり、男である俺が止めるべきだ。
他の職員の様子を確認する。
皆曽根崎先生に注目している。途中、緒方麻衣子先生と目が合ったが、逸らされた。
まあ大丈夫だろう。
まず、計画はこうだ。
俺が後輩である東妻の手を掴み、現行犯で逮捕。
その後俺から死の鉄槌をお見舞いしてやる、というものだ。
ただ、意外と席と席の間隔が広い為、目一杯腕を伸ばさなければとどかない。
奴の手の位置を確認しなくてはいけない為、いちいち周りの様子など伺ってられない。
香坂先生は気付かれたくないみたいだし、誰も見てなければ良いのだが。