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もしも願い 一つだけ叶うなら

第1章 現状

大野side

デビューをしたけど、仕事がほとんどない。芸能人なんて仕事がないほど悲惨なもんはない。
ジュニアの時のほうが仕事はあったような気するぐらい。

今は夜中のTV番組のレギュラーとラジオの仕事だけ、もう少しししたらコンサートのリハーサルが始まるけど、それまでは暇。

そんな俺は家にいることが多い、家にいる時は絵を描いてる。そして彼女が仕事がない時は彼女の部屋に遊びに行く。

彼女のほうが売れてるだけに俺って何やってんだろうと思う。彼女はそんなこと気にしてないと言ってくれるけど、男だし、彼氏としてはと思ってしまう…
このまま仕事がなければ辞めよっかな…
そんなことを考えてしまうほどだ。

今日は仕事もないし、彼女は仕事。おかんも仕事なので家には一人でいる。朝起きてシャワーして、一人でずっと絵を描いている。

しばらくするとニノからメール、うちに遊びに来ていいかいいかと言われたので、いいと返事する。
俺らって本当にアイドルかと思うぐらい、仕事がないな(笑)

1時間後、ニノが牛丼持って遊びに来た。
お昼を食べて、何するか相談をするも答えは
「特にない」といつもと同じ回答。

中途半端に派手にデビューしたから女が出入りするような店にはいけないし、そもそもお金もない。

結局はいつもと同じで部屋でゴロゴロしている。
ニノはベッドの上でゲームをやりながら、俺はローテーブルで絵を描いている。
ニノが俺のゲームをしながら…

ニノ「彼女とまだ付き合ってるの?」

智「付き合ってるよ」

ニノ「上手くいってんの?」

智「普通じゃない?上手くいってるがあんまりわかんないけど」

ニノ「そうなの??別れたのかと思ってた」

智「別れてねーよ」
付き合って1年ぐらい。盛り上がるのって、付き合う前と最初約3カ月ぐらい。お互い芸能人だから家デートばかり。最近は新鮮な気持ちとは言えないな…

ニノ「彼女好き?」
は??変なこと聞いてくるな…恥ずかしくてそんなの言えるか!!

智「言わない」

ニノ「そう、ふーん」

なんでこんなこと聞いてくるんだよ。
ベッドにいるニノを見ると含み笑いをしながら俺を見てた。

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