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もしも願い 一つだけ叶うなら

第2章 進展

大野side

ようやくニノが布団から出てきた。俺の隣に座りお茶を飲んでる。
目を真っ赤にして…、こんなに泣いたら明日、目が腫れちゃう…
やっぱり俺達は隣に居過ぎた、近過ぎるんだろうな。
仲良くできる距離を取ろうっと思って話をするも「ヤダ」というばかり…

正直、ニノの気持ちがわからない…
涙をこぼすニノが可哀想なり、頭を撫でてやる。真っ黒で柔らかい髪…

泣く理由を聞くと思ってもない言葉が返ってきた。

ニノの口から「好き」という言葉…
どういうことなんだろ?俺?

自分よりメンバーを心配するところが好きだと言う。
いつもしてることだけど、ニノだけにやってる訳じゃない…
メンバー全員にスタッフにもしてることだ。それを説明すると…

ニノ「知ってるよ、でも俺が一番でしょ?」

智「そりゃ、一番、隣にいてるから…」
メンバーの中で一番、ニノと性格が合うから隣にいるだけだ…
それ以上でもそれ以下でもない…

ニノ「それが俺を勘違いさせんだよ…」
そう言われると言い返す言葉がなかった。

しばらく沈黙が続いた…

ニノ「あの…あのキスが…一線を越えた…」

言われて俺の心がズキっと痛んだ。俺のせいか…
あんなことしたら勘違いさせたと言われても仕方がない。

智「ごめん…でもあれは…」

ニノ「分かってる、そんな意味なかったって分かってる…分かってんだ…」
俺のせいで泣いてるのかと思うと俺の心が痛んだ。
体を震わせて泣いているニノが可哀想だと思ったら、自然と抱き締めていた…

智「もう泣くなよ…泣かれたらどうしたらいいのかわかんない…」

ニノ「その優しさが…俺を傷つけるのに…」
わかってる、わかってるけど慰めてやりたい気持ちのほうが強くて、
どうしていいのか、わからず抱きしめてた。

智「ごめん…ごめんな…ニノ…」

好きという感情の前で素直なニノが可哀想でもあり、愛おしくもある…
正直、メンバーの中でも一番好きだ。俺にちょっかい出しながらも、なついてくるところ、
俺にしか見せない顔を見ると優越感があった。

ニノ「好き…でもどうにもならないから正直辛い」

そんな顔されて泣かれて、その告白は俺を動かすには十分だった。
今の言葉でニノに奪われてしまった。
心のスイッチを押された…ダメだって分かってるけど…
どうにもならないことなんてない…俺が踏み出せば状況は変わる…

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