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花音学園腐男子恋愛日常-後編-

第5章 ~鮮血の最終曲(フィナーレ)~

◇日向家2階・歩の部屋の前◇

-真視点-

「兄さん、もうすぐ風呂沸くよ」

そう言いながら、兄さんの部屋のドアを開けようとしたけど、中から鍵がノックされてて開かなかった。

「兄さん?
なんで、鍵を閉めてるの?」

『……。』

兄さんからの返事はない。

まあ、僕が部屋に入って来れないように抵抗してるんだろう。

「兄さん、無駄な抵抗はやめた方が良いよ
空手で、ドアを破壊することも出来るから」

『……。』

実際には、破壊しないけどね。

そんなことをしたら、父さんと母さんに怒られて事情を説明しないといけなくなる。

面倒くさい事は避けたい。

だから、空手でドアを破壊するって言ったのは、口だけの脅しだ。

兄さんも、僕がドアを破壊出来ると理解しているから、きっと悩んでいる最中かな。

こんな時でも、兄さんが僕の事で悩んでくれてると思うと、凄く嬉しい気持ちになる。

10秒でも、1秒でも、兄さんの中に僕がいるだけで幸せだ。

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