深夜のお巡り
第1章 深夜のお巡り
この仕事に勤めて5日目
楽な仕事ではあるけど、出勤時刻は深夜。そのため、雅也の生活習慣は常に乱れてる。
「ぎりゅぅぅ...」
下駄箱から靴を取り出すと同時にグルルーっとお腹の音が鳴る。シーンとした校舎にその音が響いた。
くっそぉ、お腹空いた
「お兄さん、ちゃんと飯くってんの?」
「わっ...なんだよ...」
びびったぁ...
寮の生徒さんか?
もう遅いのにまだ起きていたのか
「ここの警備員さんはほっそくて弱そうだね」
なんだこいつ。
めっちゃ生意気そうだ
「はあ...まあ君よりは強いけどね」
雅也は眉間に皺を寄せて反射的に言い返してしまった。