
深夜のお巡り
第1章 深夜のお巡り
部屋に入ると薄暗い間接照明が照らされていた。
中はあんまりにも物がなさすぎて寂しい空間だった。寝るのに必要なベッドと小さなテーブルのみ。
「毎日ここで寝泊まりしてんの?」
「うん。皆は同室なのに僕は転校生で余ってるから一人部屋なんだ」
こいつ転校生だったのか
「そりゃ寂しいかもなぁ。俺も一人暮らしだから分かる」
「お兄さんも寂しいの?じゃあいつでも僕に会いにきていいよ」
またこいつは...
明かりでさっきまで見えなかった素顔が露になった。少々低めな声だったから想像とは違い、意外と可愛い顔をしていた。
「お前、結構な甘えたさんだね」
俺はついつい頭を撫でた
なんて言うか、歳の割に少々子供っぽいと言うか。
可愛く見えてしまった。
頭を撫でると照れくさかったのか、生徒は少し頬を赤く染めた。
「お兄さん僕の事子供扱いしてる?これでも20なんだけど!」
「あー、まあそんくらいだとは思ってた。年相応だろ?」
「それなら許す!!」
お、許された
