深夜のお巡り
第1章 深夜のお巡り
時刻は4時を回った。
そろそろ俺は眠気と言うよりも吐き気に襲われはじめた。
「名前なんて言う?」
「吉野 平(よしの たいら)だよ。お兄さんは?」
「たいらな。俺は雅也だよ。そろそろ帰っていいか?お兄さんそろそろ眠気に負けそう」
そう言うと、平は少し寂しげな表情を見せた。
「泊まっていけばいいじゃん。僕のベッド貸してあげる。明日帰りなよ!」
「いやいや、それはまずいんじゃ...平、どした?」
平は突然ぎゅーっと抱き締めてきた
「今日は帰さない」
「ちょっ、真っ暗になったぞ...うわっ!」
ドサッとベッドへ押し倒され、お互いが抱き合いながら寝っ転がる形になった。
俺はあーあ、仕方ないなと小声で呟き、そのまま平を抱き締めながら夢の中へといってしまった。