針の山
第1章 針の山
彼女は中学校を卒業すると直ぐに
件の邸へ働きに出る事になりました。
戦争で家族が亡くなり、天涯孤独
だった彼女は、どんなに酷い仕打ちを
受けても辞める事は叶わず、何十年も
主人家族の酷い仕打ちに耐えていました。
時が過ぎ、インターネットの普及で
彼女はあるサイトに出逢いました。
『呪い』や『まじない』のサイトです。
この時、彼女は既に六十歳を超えて
いましたが、本来、彼女は頭の良い方
だったようで、パソコンの使い方などを
直ぐに会得しました。
恐らく、彼女の家族が生きていれば
大学に進学出来ていたでしょう。
主人の代理である筈の番頭さんも
彼女に頼っておりましたから。