テキストサイズ

パパ、もう一度抱きしめて

第3章 合コンと彼


彼が携帯を耳にあてた。

「美緒(ミオ)?どうしたんだよ。はっ、パスケースがない?ほんとそそっかしいなー、もっとよく探せよ」


「…」

かすかに女性の声が聞こえる。
あ、きっと彼女だろうね。
しかも一緒に住んでいるみたい。


私は電話中の彼からそっと離れ店を出ると、また学校へと歩き出した。

彼がガラス越しに、こっちを見ていたことも気づかずに。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ