テキストサイズ

パパ、もう一度抱きしめて

第3章 合コンと彼


オレは上品に箸を使う妻を、じっと見ていた。


理沙子は結婚以来、何も変わっていない。
細いスタイルも崩さず、髪型も相変わらず女らしい。決して所帯じみてなどいなかった。
オレにはもったいないほどの人で、結婚できてほんとに良かったと思っている。


梓が小学生ぐらいまでは、親子三人でよく出かけたものだ。
でも梓が思春期を迎える頃になると、親とは次第に行動しなくなっていった。
親離れをして子どもは成長していくものだ。
少々寂しかったが、喜ばしい事だと自分を納得させていた。


ところが、この二年前あたりからだろうか。
梓の方からまた、オレに寄ってくるようになったのは…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ