『妄想話』第2章「紫さんがイライラしたら」　14ページ

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妄想話

第2章紫さんがイライラしたら

「仕事が続くのは、ありがたい事だよ。だけど…」喋り始める松潤。

「今、演じてる役をもっと追究したいし、ツアーの構成も考えたいし…時間が足りない…」

ポツポツと話し続ける松潤の横で相槌打つ俺。
「必要としてくれる人の期待には答えたいし、期待以上のものを見せたい…」とうつ向きながら喋り、ついには自分の膝に顔を埋める。

音のない時間が流れる。

しばらくすると、スンスンと鼻をすする音が聞こえてきた。

「一番の頑張り時だもんね。特に今回は、演技の仕事が続いているしね。」
と俺は、松潤の頭をゆっくり撫でる。

「完璧に仕事をしたいと言う気持ちは分かるよ。でもさ、完璧にするためには、少しペースダウンも必要じゃない？」
松潤が顔を上げ俺を見る。目には涙がたまっている。
「勿論、スケジュール的には休みを取るのは難しいことだけど。気持ちを一度休めてみては？一回、今は何が最重要なのかを考える。松潤の抱えている仕事に優先順位はないかも知れないけど。ツアーに関しては、俺らも居るんだよ？少しは手伝えるよ？」

「まさき…」
と俺の胸に顔を埋める。