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家に着くと、バタバタとリビングに向かいソファー雪崩れ込む智君。勢いで,着ているワンピースの裾が翻る。
「せっかくの格好が台無しだよ」
笑いながら話かける。
「だって、疲れた」
口を尖らせる智君。
「もう、着替えてもいいよね。」
ソファーから立ち上がる智君
「まだ駄目だよ」
「なんで？もう家じゃん」
「これから、食事するから」
とダイニングテーブルを指差す。
「すごい」とセッティングされたテーブルを見て、驚く智君。
「本当は、どこかのお店に行こうと思ったけど、智君が、落ち着いて食べられないと思ってさ」
「並んでいるのお皿だけだね？
これから、作るの？」
「まさか。デリバリー頼んだから、もうすぐ来るよ」
「この格好で食べるの？」
「勿論。デート気分になるでしょう？」
智君をなだめるために、言葉を
並べる。
「あっそれと写真撮らせてね。
何かあった時の言い訳の証拠になるから」
ますます、智君の唇が尖る。
「えー。おいら、いつまでこの格好なの？」
「とりあえず、写撮って、食事が終わるまでだね」
そう言うと諦めたように小さいため息をつく智君。
「じゃ、写真撮るよ」
智君とは対照的に上機嫌な俺。
「誰にも見せないでよ。恥ずかしいから」
「なんで？こんなに綺麗なのに！」
「綺麗って…。おいら男だよ。
絶対だよ。誰にも見せないでね。」
「はいはい。」
俺は、曖昧な返事をしながら、智君の写真を撮った。
すると、玄関のチャイムがなり、食事が届いた。