大切な人へ ~second story~
第10章 2度目の失恋
私は彼に言われた通り綺麗な格好をした
暗めのブラウンのシフォン素材の
ノースリーブワンピースに程々のピンヒール
少し念入りにメイクをして髪を巻いた
なんかこの感じ...懐かしくて嬉しい!
それだけじゃ寒いからトレンチコートを着て
先生を待った
「ごめん待った?
すごい綺麗だからすぐわかった」
それなりに人が多いのにピタッと私の前に
車をとめてこんな事を言ってしまうんだ...
『もうどこ行くか教えてもらえませんか?』
今日は塾のバイトもあったからもう夜10時
食事にしては少し遅いけど...お腹は空いてます
結構すぐだからって何にも教えてくれないけど
今日は先生もちょっとだけフォーマルで...
横から見てるだけでも...カッコイイデス
「今日はなかなか帰れないと思うよ?」
そう言って笑ってお店のドアを開けた
「「happy birthday~♪ 美優ちゃんおめでとう」」
パン!パンッ!ってクラッカーが鳴って
4人くらいの男の人が拍手をしてくれてる
何このサプライズ‼びっくりしたけど
すっごい嬉しい‼
ここは少しステージもある音楽バー
ここの店長は先生の同級生なんだそう
他の人たちもみんな大学時代の友達で
みんなで祝ってあげてって先生が言ってくれたって...
来てすぐなのに
嬉しくてちょっと泣いちゃった