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大切な人へ ~second story~

第11章 酔わせて ー晄人sideー


プレゼントを見て泣いたってことは
誕生日に悲しいことがあったんでしょ?

ならうってつけの奴らがいるから!


騒ぎ出したら朝まで帰してくれない奴らがいれば
君もまた笑えると思うよ?





でも失敗したみたいだ

ちょっと目を離した隙に
アルコールを飲まされたみたいで

薄暗い照明でこんなに全身が
ピンク色になってるって気付かなかった


こいつらは悪気があったわけじゃない
お祝いだし大学生ならって思ったらしい

俺も君がこんなに酒に弱いって知らなかった...




『晄人さ~ん!ありがと~!だいすき~!』

...... 。

明らかな酔っぱらいの君が
俺から全然離れてくれない...

今は後ろから首元に抱きついて
体を預ける様にもたれてきているけど


「晄人めっちゃくちゃ好かれてんだな 笑」
「酔って本音が爆発してんな~」

連中はニヤニヤして見てるだけだし...



とりあえず腕をほどいて座らせると

今度は正面から思い切り抱きつかれた...


酔ってるってみんなわかってるけど
これは明らかにまずい

卒業したての俺の生徒だって気付いてるよな?


何か口走る前に連れて帰ろう...


「ごめん。集まってもらったのに悪いけど
連れて帰るわ。もしまたこの子に会ったら
今日の事黙っててあげて?気にするタイプだから」

多分かなり落ち込むと思う 笑



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