大切な人へ ~second story~
第12章 新しい朝
『初めての授業⁉
何かあった?全然覚えてない!』
驚く私にふっと笑った
「多分そういうところが好きだったんだ。
少し早く教室に着いちゃってね
早めに入るのも悪いから廊下から中を見てた。
そしたら時間を気にしてる美優が
前の授業の黒板を消し始めたんだ」
私は全然記憶になくって
晄人さんの方を見て聞いていた
「もうすぐ消し終わるころチャイムが鳴って
俺を見つけた美優が声をかけてくれたんだよ?
失礼しました。どうぞって
すごく優しい笑顔で言ったんだ
そしたら美優はその日の日直でもなかった」
「いい子だなって思ったし嬉しかった
授業も真面目に聞いてくれるし
毎回あいさつも笑顔でしてくれるのが嬉しかった」
「俺も体育祭の時の事はぼんやりとしか覚えてない
でもその時笑ってたのは美優が笑顔だったからだと思う
俺もいつも思ってた気がする。
美優に笑って欲しいなって...」
初めて聞けた話だった
全然知らなかったよ
彼はその話をしながらも
嬉しそうに私の頭を撫でてた
愛おしい人を見るような優しい目で___
「俺が笑えるのは美優が笑ってくれるからだよ」
私もだよ晄人さん...
そう言ってくれるなら私は
ずっとずっとあなたのそばにいたいです