LIFE
第8章 I miss you *海*
ぷはっ。
水面へ出てドキドキしながら二宮くんを見る。
…抱きしめたい…
見つめ合って、手を伸ばそうとしてやめた。
二宮くんも出した手を引っ込める。
……
俺たちは浮き輪を掴んだままぷかぷかと浮いてる。
時々目が合うけど恥ずかしくて、しょうがない。
なにか言わなきゃって思うんだけど言葉が出ない。
どれくらいそうしていたんだろう。
このままこうしていても、どうしようもないし。
俺は意を決して浮き輪を掴んでない手を動かすと二宮くんの手を取って一度だけギュッと握りしめた。
「…戻ろう。」
「…うん。」
離したくないけど。
繋いだ手を離して浮き輪を持ち上げて二宮くんにくぐらす。
バタ足をして砂浜を目指す。
ゆっくりゆっくり。
チラッと二宮くんを見たら目をそらされた。
なに考えてるのかな。
二宮くんも同じように、俺がなに考えてるのって思ってるよね。
……
気まずいといえば気まずい。
やっちゃった…
でも…後悔はしてないから不思議。
二宮くんもそう思ってくれてたら…いいのにな。
なんて…都合良すぎかな。