LIFE
第8章 I miss you *海*
普通に…普通に…
呪文のように心の中で繰り返す。
翔ちゃんたちはバナナボートをやってる。
俺たちは3人に大きく手を振った。
「ジュースでも買いに行こうか?」
「うん。」
あれから初めて交わした言葉。
よし。
普通。
でも…ギクシャクという表現しか見当たらない。
やばいな。
このままじゃ、みんなに変に思われる。
「二宮くん、バナナボートやる?」
「えっ。相葉さんやりたい?」
「んー、どっちでもいいよ。」
「相葉さんがやりたいなら、俺もやる。」
うそ。
俺に合わせてくれんの?
「いーの?
でも…休憩しようか。また砂の城やろ?」
「うん。」
「海…ムリに付き合わせたからなぁ。俺も二宮くんに付き合うよー。」
「ふふふ。」
よかった。
笑ってくれた。
かき氷が食べたいね、って、
でもきっと後でみんなで食べるよね、って、
ジュースを選んでパラソルへと戻る。
海も、初夏の照りつける日差しも、ただの売店も、砂浜へ続くアスファルトも、
キラキラ…
輝いてみえる。
少し前を歩く二宮くんが振り向いて俺に笑って話しかけるから。
キラキラ…
まぶしい。