LIFE
第10章 I miss you *別れの時*
「キス…」
「…へ?」
耳元で言うと返ってきたまぬけな二宮くんの返事に笑いそうになるけど。
「キス…しても…
いい…ですか…?」
なに?この敬語?
「いい…ですよ…。」
なに?敬語返し?
恥ずかしかったけど体を離して二宮くんの顔を見る。
涙で赤くなっ目のふち。
顔を近づけて…
ごめん…
大切なこと、まだ言ってないことに気づく。
「ごめん…二宮くん。
先に言わせて…ごめんね。
好き…大好きだよ…。」
頬に手をあてると少しビクッとした後に、泣き笑いの顔をして俺を見る。
ちゅ…
触れるだけのキス。
ど…どうしよ…。
うれしい…。
「もう一回。」
「!えっ!」
「…。」
あ…自分で言って恥ずかしくなったの?
ちゅ。ちゅ。
あ…俺、二宮くんとキスしてんだ。
信じらんない。
あんなに恋い焦がれて泣いてたのに。
俺の腕の中に二宮くんがいる。