テキストサイズ

LIFE

第11章 見つめていたい〜eyes〜



校庭を通る時、あいばさんが片付けてるのを見て松本くんが声をかけた。

「先輩!お疲れ様です。
お先っす。」

「おう!松潤、おつかれ!」

松潤って呼ばれてるのも知ってるよ。

僕はあいばさんの視界に入るのが恥ずかしくて俯きながら通り過ぎようとして、

ペコっと頭を下げて。

チラッと頭を上げるとあいばさんが僕を見てニコリと微笑んでるからカァッと顔が熱くなるのがわかった。


恥ずかしい


少し先に行った松本くんを追いかける。


あー緊張したぁ。


「?
二宮、顔赤い?大丈夫?」

「大丈夫。」

松本くんは僕のこと気になってたんだ、って言ってくれた。

ひとりが好きなのかもって思うと話しかけにくかったけど、いつも話してみようと思ってたって。

きっと優しい人なんだ。

ぼっちの僕のことを気にかけてくれるなんて。

今日は嬉しいことばかりで僕は胸がいっぱい。

松本くんが担任やクラスメイトのことを冗談まじりに話すのを聞きながら歩く帰り道。

僕は久しぶりに声を出して笑った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ