
LIFE
第18章 つかまえたい!
その日、村上の飲んで帰ろうと言う誘いに乗って会社から少し離れた駅の最近出来たばかりの居酒屋へ向かった。
小洒落た店内にフードやドリンクも豊富で大満足。
最後に一杯飲んだら帰ろうとそれぞれお酒を注文した。
日頃の鬱憤を晴らすように仕事の愚痴や嫌いな人の悪口も吐き出してなかなかのストレス解消になってそろそろ帰ろうかと伝票を持って席を立つ。
いい感じに酔って意味もなく大きな声で笑って村上と駅前で別れた。
「じゃあ又来週!」
「おお!」
村上に手を上げて向きを変えると俺の探知機が作動した。
あれ?
その後ろ姿に誘われるように近づく。
やっぱりそうだ。
ひよこが親を見つけたんだから後を追うに決まってる。
二宮さん
声をかけてもいいものか躊躇してると隣りの男が二宮さんの手を引いてるのに気づいた。
あっ
ああ?
二宮さんが嫌がってる風に見えるのは俺の願望なのかわからないけど、一か八か、怒られたらその時、と二宮さんの腕を取った。
