
LIFE
第18章 つかまえたい!
「あ、相葉…くん?」
振り向いた二宮さんは目が弱々しくて掴まれた腕は力なく。
相葉くん?じゃないよ。
その人とどういう関係?
友達に見えないんだけど。
てか、どこ行くつもり?
一瞬怯んだ隣りの男は俺から視線をずらして強引に二宮さんを連れて行こうとした。
ダメ。
「すいません。
この人にちょっと用事あったんですよね。」
男に言うと、そうですか、と意外とすんなり二宮さんを引き渡してくれる。
あーよかった。
次になんか強気で来られたらなんて言うか考えてなかったよ。
走って逃げようかとか思ってたし。
二宮さんはバツが悪いのか俺を見ない。
「帰りましょう?」
「…うん。」
うん、だって。
可愛くない?
仕事じゃなく会社じゃなく、外での素の二宮さんがこそばゆい。
とにかく早くここから去ろう。
「二宮さん、送ります。」
二宮さんに聞くと家は会社の近くの駅だと言うから戻る形で電車に乗った。
駅から少し歩くと着いた二宮さんのマンション。
俺は当たり前のように部屋の中まで連れて行く。
さっきまでそっと支える程度に密着してた体に力を込めて腕を回し直した。
