LIFE
第18章 つかまえたい!
「じゃ、先に入るわ。」
髪の毛を掻きながら、だるそうにお風呂の方へ向かうのを眺めていた。
なんか怒ってる?
機嫌悪い?
少しの不安を抱いたまま残された俺は二宮さんの部屋をぐるりと見渡す。
男の一人暮らしの部屋。
俺もそうだけど殺風景な部屋。
あっちが寝室かな。
寝転がったまま、ぼーっとしてたらシャワーを終えた二宮さんが出てくる音がした。
「お前の着れそうなの出しといた。」
「ありがとうございます。」
「はいよ。」
お風呂に行くとTシャツと短パンが脱衣所に置かれていてバスタオルも添えられている。
人んちの勝手の悪いのは仕方ないとそれなりに手早くシャワーを浴びて上がるとリビングにはもう二宮さんの姿はない。
寝室であろう部屋のドアが開いてるから、
「失礼します…」
一応声をかけて近づくとベッドの上の二宮さんが背中を向けたまま返事してくれた。
「…ん。もう寝ろ。」
ベッドの半分スペースを空けて丸まって寝てるのを見て、
「俺、ソファで寝ましょうか?」
そう言うと、
「体痛めるぞ。
…てか、いいじゃん、ここで。
嫌?」
「いいえ。」
「…」
「じゃあ…お邪魔します。」
ごそごそとベッドに体を横たえると緊張はすぐに解けて1日の疲れからかホッとして睡魔が襲ってきた。