LIFE
第20章 つかまえたい!〜scene3〜
研修期間は終わり、俺は無事?二宮さんのところへ残った。
村上は違う部署へ移動したけどしょせん同じフロア。
息抜きに気軽に話に寄れたり仕事でもお互い助け合ってる。
やっぱ同期っていいよな。
「おつかれー。
二宮さん、出張なんだって?」
「そう。でも明日帰ってくるよ。」
「鬼の居ぬ間…か?」
「ふふ。まあね。
でも二宮さんいなくて寂しい。」
「でた!
ほんとお前、二宮さん好きなー。」
「うん。」
俺のこの素直な返事をどう取ってるんだろ。
村上は、仲良いいもんなー、って笑いながら自分の席に戻っていった。
毎日、会社で顔を合わせているんだから週末しかふたりで会えなくても、どうにかなってた。
でもこうやって会えないと途端に不安になるし寂しい。
恋人でも寂しいのかな。
こんな不安定な間柄だから尚更、寂しく感じるのかな。
本当はこんなことしたらダメだってわかってる。
めんどくさい。
二宮さんが嫌いなことだから。
でもいいや。
『二宮さん。寂しい。』
こんな女の子みたいなメッセージ。
ウザいよね、ごめん。
だけど就業時間が終わり、会社を出て携帯を見ると、そこには信じられないくらい一瞬で俺を喜ばせるひとこと。
『俺も。寂しい。』