LIFE
第21章 つかまえたい!〜scene4〜
『ごめんね。』
この言葉の意味を考えてた。
相葉くんが何度も口にした言葉。
別れを指してると思うのは俺のマイナス思考?
もう会えないかもしれない。
仕方ない。
今までの俺だったらそれで終わり。
っていうか仕方ないとか思うところまでもいかなかったような気もする。
そんな感情も付き合いもなかった。
なのに今はどうだ。
絶望感に襲われるよ。
あーあ。
同じ会社の人とこんなことになって。
バカだ、俺。
別れがやってきたって毎日、顔を合わせるんだ。
忘れられるのかよ。
それに上司と部下なんて気まずいしかない。
……
明日、どんな顔して会えばいいんだ??
*****
翌日。
心臓バクバクの俺の前に、きっと同じように心臓バクバクの相葉くんが立っていた。
「おはようございます。」
「おはよう。」
…
なんだこれ。
チラッと俺を見た相葉くんと視線が一瞬絡んだ。
…
それだけ。
本当にそれだけだった。
今日は仕事が立て込んでてバタバタで俺は俺で外出や会議へ。
夕方すぎに席に戻ると相葉くんの姿はなく、デスクは片付いている。
「相葉くんは?」
近くの子に尋ねると、
「昨日出張帰りで疲れてるだろうから今日は急ぎの仕事抱えてないなら定時で上がれ、って課長に言われてましたよー。」
そう教えてくれた。