LIFE
第21章 つかまえたい!〜scene4〜
なんかもうどうでもよくなって。
遊んでしまえと久しぶりに夜の街へと繰り出した。
誰でもいいから俺の相手してくんないかな。
出来れば後腐れないのでお願いしたい。
馴染みの店で飲んでたら、今日に限って何故だかモテた。
ま、願ったり叶ったり。
次から次に言い寄ってくるからそれなりに吟味してみる。
あ、この子、背格好が同じ。
こいつは後ろ姿が似てる。
代わる代わる口説きにくる男に相葉くんの姿を重ねて、それを自覚した途端、泣き笑いになった。
悪酔いしてへらへら笑ってると気味悪く思ったみたいで次々に人は散っていく。
ああ、もう今日は帰った方がいいな、と席を立とうとした時にカウンターに付いた手を握られる。
その手が相葉くんの手に似て見えて反転させて握り返してその人を見る。
違うのに。
相葉くんじゃないのはわかってる。
その人は俺を見て微笑んで、
「この後どうするの?」
と、立ち上がった俺の腰はすでに手を回されていた。
「なんにも考えてない…」
「じゃあ一緒に出ようよ。」
「うん、」
優しそうなその人に促されるまま店を後にした。