テキストサイズ

LIFE

第22章 つかまえたい!〜scene5〜



店を出て隣にいる二宮さんに改めて嬉しい気持ちがいっぱい。


俺の目はハートになってる?

しっぽ振って喜んでる?


「よかったな。二宮さんに会えて、しかも送ってくれるってさ。」

「う、うん。
でも…いいんですか?」

二宮さんを見ると会ってからずっと優しく笑ってる。

「いいよー。
いつも俺が世話になってるもんな。」

なんて言って。

「大好きな二宮さんに今日は甘えろ。」

村上はわかってんのかな。

それとも仲のいい先輩後輩の範疇で話してるの?

今度もう訊いてみようかと思う。



夜風にあたり少し酔いが覚めるけど、またとないこの機会、甘えてしまおうとしなだれかかる。

「大丈夫?」

「はい、大丈夫です。」

そっと体を寄せて見えない位置で握られた手に胸がぎゅんとなって。

ゆっくり二宮さんを見上げると何食わぬ顔で澄ましてる横顔。

だけど口元が緩んでるよ?

「じゃあ、すみません!よろしくお願いします。
相葉?気をつけてな。」

二宮さんにお辞儀をして俺に笑顔を向けて村上はいなくなった。

「彼女んち行くって。」

「あ、そうだったんだ。」

ふたりになって繋いだ手に力が込められた。

どちらからともなく。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ