
LIFE
第22章 つかまえたい!〜scene5〜
帰り道。
俺はポツリポツリ、会えなかった日々の話をした。
最初にあの日の謝る部分をちゃんと謝って。
二宮さんに逃げないでと言っておきながら自分の方が逃げ出した形になったんだ。
二宮さんの過去に妬いたと言うと、
「は?嫌悪でしょ?」
って強く言って悲しそうな目をした。
そんな悲しい目しないで。
いますぐ抱きしめたい。
そんなことを思って、また俺の話を聞いてもらうために言葉を選んだ。
嫌悪はない。
腹が立つというかどうしようもない気持ちになると正直に伝えると、悲しみは見えなくなって嬉しそうな縋るような目になっていく。
二宮さんの過去に、
経験に、二宮さんの体に触れた人全てに。
どうしようもなくなる。
でもね、考えたんだ。
過去は変えられないけど、未来は変えられるかな、って。
だからこれから先は…俺だけの二宮さんでいて欲しい。
「俺のわがままですか?」
頼りなげに二宮さんを見て想いを伝え続けた。
二宮さんをひとりじめしたいし、二宮さんの特別になりたい。
でもそれができないからといって離れられない。
それなら、と距離を置いて付き合うしかないんだと、駆け引きをしたところで…
ちょっと間を空けてみたら、こんななっちゃいました。
