
LIFE
第22章 つかまえたい!〜scene5〜
俺の腕の中で小刻みに揺れる肩。
泣いてる?
「ごめんなさい。
泣かないで。」
ごめんね、ごめん。
顔を見せてくれない二宮さんの頬に優しく口づけてボタンをひとつ外した。
すぐ俺の手を握ってきたのにドキッとして動きが止まる。
それは好きだから握ったんじゃなくて、阻止する仕草に見えたから。
まさか嫌なんてことないよね?、と焦って焦って。
一度、深呼吸をして少し離れた身体を二宮さんの背中にくっつけた。
「二宮さん…
触ってもいいですか?」
「…」
「返事して?」
「…ぅ…ん…」
「うん、って?
いいんですか?」
こくこくと頷く二宮さんを確認して改めて思う。
絶対この人を離さない。
誰にも渡さない。
「俺の。」
ん?、って聞き直すみたいに不意に力を緩めて俺の方に向いた横顔に、やっと見れたと安堵して俺も力が抜けた。
やっぱり泣いたんだね。
涙の道を辿るように唇を頬にくっつけて。
「俺の。
二宮さんは俺のだから。」
「…ん。」
「返事して。」
二宮さんが笑ったのが頬越しに伝わった。
「うん。」
「二宮さ…」
二宮さんが俺の頬に口づけてくれる。
「とっくにお前のだよ…」
