LIFE
第23章 つかまえたい!〜scene6〜
とっくに。
お前のものだったよ。
どこから話そうか。
ちゃんと伝わるかな。
俺の気持ち、ここのところの、やるせない想い。
伝えたかったこと、
思ったこと、
自分でも言葉にしながら確認するように。
話してる間、抱き寄せてる俺の顔や体に頬ずりする相葉くん。
そんな彼がピクリと反応したのはあの夜のこと。
ぶっちゃけない方がいいのかと思わなくもなかったけど…話した。
怒るかもしれない。
また悲しい思いをさせると思う。
でも聞いて欲しい。
俺のエゴだけど。
相葉くんは、それなりに怒って悲しんでいた。
でも言ってくれた。
「うれしい。」
そう言って優しくキスをしてくれた。
調子に乗った俺は相葉くんに抱きついて、
「褒めて?
すんごいイケメンだった。
別れ際改めて見た時びっくりした。これ袖にした俺マジか、って。」
「まったく…」
呆れた、ってコツンと頭を軽く叩く仕草。
「でも…最後にチラッと見たら、あらま、って。あんまり覚えてない。
あの時…
あの人…いい人でよかったな、って、」
そう、思う。
ちゃんと思い出せないけど、あの人に…悲しい夜に会った優しい人に思いを馳せた。