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LIFE

第23章 つかまえたい!〜scene6〜



「とにかく、どちらとも!
やめよう、ってなったの!」

大きい声で言い放った。

俺の胸にくっついたまま相葉くんはポツリと呟く。

「わかりました。」

「ほんとに?」

「はい。」

ほんとにわかってくれたのかな。

半信半疑な俺は相葉くんの次の言葉を待つことにする。

嫌な沈黙の後、やっと上を向いて俺の目を見て、

「これからは寂しい思いはさせませんから。
だからもうフラフラしたらダメ。」

頬を撫でるとそのまま頬にキスをひとつ。

ちゃんと口にしてよ。

「大丈夫。
嫌ってほど分かったから。」

「?」

「相葉くんじゃなきゃ…
ダメだって。」

「そう、」

待ちきれなかったから俺から口を塞いだ。

「相葉くんがいい。」


ちゅーーー。



「つかまえてろよ?」



さっきの相葉くんの言葉が嬉しかったんだ。

「離しません。」

こんな幸せなんだ。

誰かのものになるって。

それはきっと…


相葉くん。


相葉くんだからなんだよね。


俺は窮屈な世界に自ら飛び込んだ。

今まで知らなかったんだからしょうがない。

誰かのものになるのが幸せだってこと。

誰かじゃなくて。

それはやっぱり相葉くんだから。

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