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LIFE

第23章 つかまえたい!〜scene6〜



「あっ!」

よそ見をしてたからドアを開けてすぐ人にぶつかった。

「すみません!」

すぐに謝って顔を上げると、同じタイミングで謝られる。

「こっちこそ、すみません!」

目の前のすらりとしたイケメン。


あ、この人。


思わぬ再会に言葉がうまく出てこない。

あの日。

自暴自棄な俺に優しくしてくれた人。

すると、その人は俺と相葉くんを見て、すごく穏やかに微笑んだ。


そうです。

この人なんです。

俺の好きな人。


わかるかな。

わかるように、伝わるように、
俺も笑顔を作った。

わかってくれたんだと思う。

爽やかな笑顔で当たり障りない挨拶をしてくれた。

「こんばんは。」

「こんばんは。」

俺とその人との、なんだか変な間合いのゆっくりしたそのやり取りに、さすがの天然でほろ酔いの相葉くんも気になったみたいで。

「知ってる人?」

俺の少し後ろから小さな声でそっと尋ねる。

隠す必要はないと、俺はそのままを口にした。

「あの…
話したじゃん。
あの日…あの日の…」

怒らないよね?

ヤキモチは…あとから妬いていいからさ。

そんなことを思いながら相葉くんとイケメンを順番に見た。

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