LIFE
第23章 つかまえたい!〜scene6〜
彼は相葉くんにやんわりと、だけど最後まで目を見て告げた。
「キミが彼の想い人ね。もう彼に寂しい思いさせてない?
…って、見りゃわかるけどさ。」
ははは、と軽やかに笑って、 いつもの整った顔より少年のようなその笑顔につられて俺も頬が緩む。
相葉くんは照れくさそうに頭を掻いて頷いた。
「いつか会えたらいい、と思ってたけど…その時は泣いてなきゃいいけど、って。
でもこんな笑顔見られて、彼氏も見れて…
あー、よかった!」
この人。
本当にいい人だ。
「ありがとうございます。」
相葉くんがお礼を言う。
まだ何か言いたそうにしてるな、と思って見てたら次の言葉もお礼だった。
「あの日も…
その…
ありがとうございました。」
胸の中があったかい。
相葉くんは、あの日のこと、あの日なにもなかったことに…それは彼のおかげなのを今更ながら嬉しく思っているのかな。
もちろん彼のおかげもあるけど。
今となっては他の誰でも俺はなんにもなかった気もするよ?
「素敵な彼氏だね?」
うん、そうなんだ。
俺にはもったいないくらいの。
心の底からそう思って相葉くんを見上げるとデレデレの顔をした相葉くんと視線が絡まる。
さっきより胸いっぱいがあたたかくなった。