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LIFE

第2章 サヨナラのあとで 〜瞳〜

悲しそうでも、切なそうでもなく。

ただ遠くを見てるような目。

「なんで10年後なの?」

とりあえず1番気になった言葉について訊いてみる。

「心で想ってるのも、いいかなーって思ったから。」

「…そう…なの?」

「それくらい…そばにはいるのは苦しかった、ってことだよ、ばか。」

胸が潰れそう。
でも俺より胸が痛かったんだって思い知らされる。

この人をこんなに追いつめてたんだ。

「…ごめん。」

「つらかった。」

明るい口調で話してくれてるけど、
“つらかった”ってのが痛いほどわかる。

「ごめん。

でも…10年後にはアタックしてくれるんだ。」

「…まーね。

にのといないのなんてムリだもん。

ずっとは。」

「10年って…。

1年でもムリだよ。」

俺が言うと目線がしっかりとして、ちゃんと俺を捉えて、

「ほんと。

ムリだね。

今日…わかった。」

くふふと笑った。

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