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お姫様は海に恋い焦がれる

第3章 うさぎピンチ!二人きりの夜〜未来編〜






「いつまでこんなことを続けるつもり?」

「えっ、……」

「うさぎがこれで幸せなら、私はきっと幸せだった。だけど、違うの」

「…………」


 平和だ。誰一人傷つかない世界。街はクリスタルパレスの強力な結界に守られている。銀水晶はゴールデンクリスタルの力を借りて、今や無敵だ。


 それでも、違う。


「あ、の……みちるさん、……」



 突然、玄関からチャイムが鳴った。



「おっす、お団子!星野様が来たからにはもう安心だぜっ。……って、みちるさん!」

「ご機嫌よう。……吃驚させてしまったかしら」

「いいえ、あの、はは、ご無沙汰してます……」


 突然の来客は、星野だ。

 彼らキンモクセイの住人達にも、うさぎと強い縁(えにし)を持った因縁から、長寿の作用が有効化した。星野もみちるやうさぎと同じく成人した年にその肉体の老化が止まり、不朽のアイドルとして活躍している。


 星野は、美奈子を通して衛とちびうさの不在を知った。そこでうさぎを夜間の危機から守るべく、押しかけたという。

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