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とかして。

第1章 光が世界を染め変える




 落ち着いて公園に戻る時分になると、日は随分と落ちていた。

 みちるはうさぎと互いにまつわる話を交わした。

 うさぎは、勉強が大の苦手らしい。今日の小テストも無惨な結果で、帰宅を躊躇っていたという。道草をする理由が出来て助かったと言って笑った。好きな色はピンクと白だ。特技は寝ること。欠かせないのは家族と友達、ペットのルナ、それからウサギグッズである。

「うさぎなだけに?」

「かも知れません」

 満面の笑顔がみちるを照らした。


 不思議な少女だ。


 うさぎの瞳は、今もいとけない色をしている。その瞳には、けだし世界が玩具箱に映っていよう。とりどりの宝石がその精神を浄化して、まばゆく、いやが上にもまばゆく炫耀するよう補翼している。


 今日のような放課後は初めてだ。

 クラスメイトとでさえこうした時間を過ごす余裕はなかった。ヴァイオリンや絵画を通して親しむようになった知人らは歳上ばかりだが、彼女らはみちるにうわべの愛想を振る舞うだけだ。

 唯一、親友と呼べる少女とは、おそらく永遠に笑い合える嚮後は迎えられない。

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