とかして。
第2章 有料なら、受け取るってことだよね?
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「あんた…………何で……」
駅のホームに降りたさやかは憔悴していた。
活発な空気をまといながら、透き通るようだった白い肌。それは、いっそ彼女の魂が今も肉体に残って光を放ってでもいるように青みが透け、つまり、生気に欠けていた。
見滝原で頻りと見かける制服に身を包んださやかの手は、血だらけの剣を握っていた。
あたしは、ぞっとした。
そんなものが目路に触れれば、また、あたしはあんたを──…。
カラン…………
明らかにこの世の人間(もの)の匂いをまとったサーベルは、コンクリートに音を立てるや闇に消えた。
「あのさ、あたし、あんたに頼みが」
「悪いけど、今人間相手にするの参ってんの。あたしが気に入らないならさ、……やっちゃえば」
「違っ……あたしは、あんたにこれを──…」
「いやっ!!」
身体が先に動いてた。
どんな言葉も届かない。さやかの清澄すぎる世界には、あたしの言葉はただただ醜い。
どんな言葉も届かないなら──…
あたしは、さやかの腕を捕まえていた。