とかして。
第2章 有料なら、受け取るってことだよね?
部屋に戻ると、脱衣所からドライヤーの音がしていた。
微かなボディソープの匂いが鼻を掠めた。
出どころは、あたし自身か。それとも、小さな扉の隙間をこぼれるしとりか。
「あんた……っ、何やってんの?!」
蜂蜜色の光を閉ざした扉が開くや、あたしは声を上げていた。
「あんたが浴びてこいって言ったんでしょ」
「いやいやいやその格好」
さやかは、今日までにもさんざんあたしを動揺させてきた肉体を、バスタオル一枚にくるんでいるだけだった。
あたしは部屋着を身につけている。さやかがいるから、柄にもなく身嗜みを考えて、肌着もしっかり。
だのにさやかは、言葉にするのも憚られるほど破廉恥なものを、平気であちこち晒していたのだ。
「下着、声くらいかけろよ。貸してやるから」
「必要ないじゃん」
「…………」
現実逃避はここまでか。…………