テキストサイズ

とかして。

第2章 有料なら、受け取るってことだよね?








「キョーコちゃん」

「…………」


 あたしは、嬉々とさやかに縫いとめられていた。

 さやかの重みがあたしの腹を寝台に押さえ、さやかのももが、あたしの内股をやんわり割る。



 今日何度も近づいた顔は、相変わらずあたしの心拍をなじる。


 綺麗な肌だ。

 少女という若さを差し引いても、さやかの肌は規格外だ。玲瓏な声を奏でる喉は、吸いつきたくなるほど匂いやかで、あたしと同じ香りがしている。



 あたしは、月を吸い込んだ海の瞳に囚われていた。



 さやかの指先がおとがいを持ち上げ、勝ち気な笑みが、あたしを愛でる。


「初めてなんでしょ。可愛いなぁ、もう」

「そこをどけ」

「だーいじょーうぶ。初めての子には、優しくしてあげるのさ」

「っ…………」

「それともあたしに恥かかせるの?」


 さやかの顔が、目路から消えた。


 違う。


 あたしが目蓋を閉じたのだ。



 風見野一の実力を誇り、暁美ほむらと巴マミを例外にすれば、大抵の魔法少女らはあたしを見ただけで獲物を譲る。そんなあたしを組み敷いて、からかって、食そうとしている強者。彼女の吐息が首筋を遊び、あたしの耳朶をくすぐった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ