とかして。
第2章 有料なら、受け取るってことだよね?
あたしは、さやかの凹凸(おうとつ)を確かめていった。以前ほど怖れ慄かなくなったのは、さんざっぱらさやかに触れられたあとだからか。
さやかの海は、満ちていた。その程度は寝具にまで伝いかねないもので、あたしを抱いて欲情したのかからかってやると、初めて逢った時にも優って怒らせた。
「ぁっ……いたっ……ぅぅ………く……──きょぉ、こ……はぁっ……」
途中で聞くに耐えない声に変わったあたしと違う。
さやかは、あたしが動けば動くほど、呻吟した。凛とした甘いメゾは途切れ途切れに拙く喘ぎ、苦しげな荒い息にとける。
あたしをとりこめた体温は、時々、締めつけるようにまといつき、身体ごとひくひく収斂していた。
あたしの出血があってなかったも同然だったのは、体質も原因していたろうが、キスの巧みなさやかの繊手のなせる業でもあったのだろう。
あたしは自分の指を鮮やかに染めた。
「……洗ってきなよ」
「やーだね。さやかを粗末にすんじゃねぇ」
「わけ分かんない」
あたしは指にまといついたさやかの赤を舐めとった。爪の間に入った分も、余すとこなく、全て。
鉄錆の匂いがあたしを満たした。
喪失の夜ではない、多分、今後あたしは、この匂いに抱かれる度に、さやかとの今夜を思い出す。