とかして。
第2章 有料なら、受け取るってことだよね?
「あんた…………何で……」
カラン…………
生気に欠けた負の息差し。
ホームに降りたさやかの手から、明らかにこの世の人間(もの)の匂いを狩ったサーベルが滑り、闇に消えた。
「あのさ、あたし、あんたに頼みが」
「悪いけど、今人間相手にするの参ってんの。あんた、あたしが気に入らないんでしょ。……良いよ。やってよ」
「バカっ……あたしは、あんたにこれを──…」
「……っ!!」
あたしは、さやかの腕を捕まえていた。
「っ……」
「出せっ、ソウルジェム。指輪の形状も保てねぇほど弱ってんだろ?!そんなんで世界救えんのかよっ……人助けだの何だのほざく前に、あんたが救われなくちゃなんないほど無様だよ。トーシロのくせに強情捨てろっ」
「いや…………お願い……離して。あんたに助けられる理由はない。あたしは、ずるい手使って手に入ったグリーフシードなんか使わない。あんたは転校生に言われたか同情で、あたしを助けたいんでしょ?あたしは誰のことも利用しない。食べられた人達も、あんたみたいな魔法少女だって、あんたの動機だって。誰の施しも受けない」
「さやかっ……」
「あんたの言う通りだった。こんな世界、守ったって価値なかった。壊れろって、願っちゃったよ。…………あたしのいる必要、なくなっちゃったんだ。せめて綺麗でいたかったな。愛されなくても愛してたかった。自己満足だね。そう、あたしはあたしのために戦ってたんだ。でももう無理。罰を受けるしかないの。だって戦うだけの石ころだよ?あんたさ、大袈裟だよ。こんなのどうなったって、どうせ痛くも怖くもない」
「…………」