とかして。
第2章 有料なら、受け取るってことだよね?
「抵抗出来なくても不都合ないよね?前払いはこれくらいにさせてもらうよ」
「……ひぅっ、……」
縫いとめた見事な肉体を、あたしの手が不躾に這う。乳房を揺すって、太ももを撫でて、さっきよりも深くキスする。
「はっ……ぁっん……んん」
あたしはさやかの唇を割りながら、スカートのファスナーを下ろしていった。
上着を脱がせて、腰に巻きついただけのスカートと、下着だけを残す。ソウルジェムに注意しながら、あたしはさやかの口内を啜る。歯列をなぞって歯肉を撫でて、口蓋をくすぐる。さやかの味の染みた舌にじゃれついて、あたしは二人の唾液を融かす片手間に、腹やももを物色していた。
「あ…………あぅっ、んん、きょ、こぉ……」
「そんな声、出るんだ。ひくひくしてる。こんないやらしい格好させられて、あんたなら怒るんじゃなかった?」
「ぁっ……や……」
じゅるっ……ずるっ……ぴちゃ、ちゅ…………
唇と唇のまぐわう音が、あたし達を結びつける。
あたしの指の触れたところが、あたしの指が差し響いたところが、物欲しげにシーツを乱す。
さやかは、まどかとは異なる牽制を備えていた。
キスだけであたしを麻痺させて、あの衝動をとろかそうとする。
あたしは、壊れものを扱うようになっていた。さやかの口舌の源泉の水を余すところなく啜るつもりで嚥下して、あたしの唾液も彼女の喉に送り込む。
「さやか、飲め」
「杏子ぉ、……ん」
薄い肉に覆われた喉が、小さく鳴った。
あたしはさやかの両腕を手枷に羈束し、ヘッドボードに鎖で繋いだ。
一週間住んでいると、近辺の宿泊客の情報も把握出来る。盗みはあたしの物流手段だ。性具も、手に入れるくらいは造作なかった。