とかして。
第2章 有料なら、受け取るってことだよね?
あたしは、浅瀬をこねくり回していた性具を、その根本までねじ込んでいた。
鉄錆の感触が指に落ちた。さっきまでのとろりとした花蜜ではない、赤い、さらさらとした液体だ。
「うっ……ぐ…………ああああぁぁぁっ」
白い乳房に吸いついた。赤く腫れた頂を吸って、さっきさんざん舌先でこすったそれを撫でる。
「ぁんっ……ゃっ、っっ……んんん!!」
乳房を愛でて、腹を啄ばみ、その唇にキスを戻す。
あたしはさやかの唇を小鳥がじゃれるように吸いながら、右手を動かす。
斬り結ぶことでしか語らえなかったあたし達は、痛みでしか相容れられない。
「ぁっ…………ぁぁっ……あっ」
「イイ顔してるよ……さやか。無様に歪んで、あたしなしじゃ生きられない人魚みたい」
「はぁっ、……ん、んん」
あたしは肉襞を貫いた異物を、加減なく動かしていた。
円を描いて、突いては抜いて、抜いては突いてを繰り返す。水音か、血の音か。匂いやかな首筋を愛で、おりふしキスを賞翫するあたしには、手許にまで目を遣れない。
「ここまでほぐしたら、本番は楽じゃない?」
「きょ、う……こ……?……んんっ」
数十分のち、あたしは性具を引き抜いた。
鉄錆の匂い。あたしを狂わせる赤を、さやかの味覚に押しつける。
「むぐっ」
「あんたのポリシーに免じてそれは返すよ。持ち主が怪しまないように、綺麗に掃除しておきな」
出血は、止まらなかった。突き破るべきところの他にも破損している。
あたしは赤く濁ったとろみを吸って、回復魔法を解除させた。
その身体が純潔である肉襞(あかし)。
癒しの祈りの副作用があるさやかの身体は、何度でもそれを修復出来る。何度でも、純潔に戻れる。