とかして。
第1章 光が世界を染め変える
全身で羞恥を訴えながら、みちるには、愛ない情事を望んでいる本性がある。
プリンセスのはしためではない、他の存在になりたかった。二人の戦士は、互いに求め合うより他になす術を知らない。
肉叢をはるかの指が遊ぶ。蹂躙される肢体が、みちるの理性を離れてゆく。
ヒクンっ……ぴくぴくぴくっ…………
プリンセスのものではなくなってゆく。罪過にまみれた精神をくるんだ身体が、天使の愛さえ迎え入れられる見込みを手放す。
汚れてゆく。汚れてゆく。汚れていた。
人間を殺めた魂でも、仮に肉体が綺麗であれば、みちるは天使にいずれ愛を語ってしまおう。
身のほどもわきまえない想いを語る唇であれば、嘘偽りを貫く肉体であれば、いっそ最愛の親友に。…………