瞳の中の恋人 ~もう一つのプラチナデータ~
第2章 2 神楽とリュウ
自分でも なぜ了承し、ついて行く気になったのか
よくわからないまま 浅間の車に乗り
古いアパートの前で下ろされる。
「ここは・・・?」
「俺の家だよ。あんたの住んでいるところとは 雲泥の差だろうが我慢してくれ」
「・・・どこへでも、とは言ったけど おたくの家とは予想外だったな・・・」
「狭くて汚い所だけど、まぁどうぞ」
浅間は神楽を先に歩かせる。
201号室・・・聞いてもいないのに 神楽の頭の中には
何故かその番号が浮かび、1階分階段を上った角部屋へと足を向けた。
部屋に入り、鍵を掛けた浅間は 神楽を部屋の奥へと誘い、明かりをつけた途端、神楽を力いっぱい抱きしめた。
「なっ、何す・・・んっ、」
何度も何度も口付けし、項に唇を這わせた時、
襟足についた微かな赤い跡を見つけ、浅間は深い溜息を漏らす。
「やっぱり・・・リュウ・・・」
固まる神楽
「どうして・・・その名前を・・・」
わけがわからない。
どうしてこの刑事がリュウのことを知っているのか。
しかもこの抱擁は何だ?
まるで恋人同士であるかのような・・・・・・
でも、一体いつ二人が知り合う機会があった?
リュウは 自分が研究のために意識を開放した時でなければ 現れることが出来ないはず・・・