瞳の中の恋人 ~もう一つのプラチナデータ~
第3章 3 二重人格
~3.二重人格~
「二重人格?」
「そう・・・リュウは私の中に生まれた第二の人格だ。特別な薬や暗示を使わなければ表に出てくることは出来ないはずだったのに・・・」
浅間の前で項垂れ、顔を手で覆う神楽は、
いつもの不遜な態度の傲慢な科学者とは
違う人物のようだった。
眼鏡を外した顔は いつもよりずっと幼く見える。
そう、髪さえ形を変えればやっぱりリュウだ・・・
思わず手を伸ばす浅間に、しかし神楽は冷たい一瞥を投げる。
「やめろ・・・私はリュウじゃない、と言ってるだろう・・・」
自分の手を払うようにした神楽の手首を握ると 浅間はそのまま床に神楽を押し倒した。
「あ・・・っ!」
抵抗する神楽の上に跨り、そのネクタイを引き抜くと
両手首をひとつに縛り上げ、片手で押さえ込む。
「やっ・・・」
怒りと驚きで言葉も出ない神楽のワイシャツのボタンを
上から順に外していく。
全部をはだけた時、見慣れたリュウの身体が現れた。
「リュウ・・・」
「リュウじゃない!やめろ!私に触るな!」
「俺のリュウだ・・・」
いつもリュウが悦ぶやり方で 神楽の身体を可愛がる。
最初は抵抗を見せていた神楽も いつしか甘い吐息を漏らし、押し寄せる快楽に 声を抑えることが出来なくなってきた。