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第13章 記憶

家に帰ると、春さんが来ていた。

「夏さんも華ちゃんもまた随分大きくなって。」

パパやママに嫌味を言う夏も、あたしたちのおばあちゃんの春さんには素直だった。春さんは、あたしたちに代わる代わるハグをした。

「今日はどうしたの?」

ハイカラで元気で、とっても優しいおばあちゃん。一緒にお買い物へ行くと、欲しかったもの以上のものを必ず買ってくれたし、おこずかいも沢山くれる。ただ、おこずかいは、春さんがあたしたちにあげすぎないように、ママが目を光らせていた。

(トーコがあなた達に手を焼いてるって言うから。)

ウィンクをしてママ達には、聞こえないように小さな声で春さんは言った。

「あなた達の顔を見たくなっちゃったのよ~♪」

今度はママに聞こえるように大きな声で言った。春さんはあたしたちを大人扱いしてくれる。どんな話でも包み隠さずするので、特にパパとママは警戒をしていた。

「ねぇどれぐらい今回は居てくれるの?」

「1ヶ月でも2カ月でも♪」

あたしは春さんに飛びついた。

「嬉し~♪」

「さぁケーキ焼いたから、お友達の話を聞かせて頂戴?ふたりともお勉強してきたんでしょう?」

「うん」

春さんはあたしたちの救世主だ。パパでも手こずるママと対等に、もしくはそれ以上にやり合えるのは、春さんだけだ。

「華!ちょっとこっちへいらっしゃい。」

ママがあたしを呼んだので怠そうにママの前へ行った。

「真啓さんの所に行っては駄目だとママは言った筈です。」

ママは、眉を顰めて言った。

「どうして?遊びに行ったわけじゃ無いわよ。一緒に勉強してたの。」

「あなたは、何かしなくちゃいけないことがあるんでしょう?」

ママは腕組みをして仁王立ちになっていた。

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