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第14章 ファースト・ダンス

俺は、華のベッドの上で目が覚めた。リビングで大人達が話をしていた。

「わたしは、華さんと夏さんが考えて居ることが判らないの。」

華の母親…トーコさんは、華のおばあちゃん…春さんにため息をつきながら言った。

…ふたりともそっくりだ。トーコさんの旦那さん達は間違えたりしないのだろうか?

「僕は…トーコさんにプロポーズを断られた時よりも何倍もショックです。」

パパが溜息をつきながらお茶を静かに飲んだ。

…あいつ…まだ謝ってないのか。

「悪い子になりますって宣言されたし…今まで僕にもそんなこと言ったことが無かったのに。」

ダディはテーブルに頬杖をついていた。ふたりの落ち込む有様は、まるで少年が初めて大きな失恋をしたような印象を受けた。

「トーコさんを育てた春さんなら助けてくれると思って。」

ダディが寂しそうに笑った。

「お母さんの助けなんて要らないわ!」

ママがムッとして言った。

「あらっ。華ちゃんが、トーコみたいに家に寄り付かない子になったらどうするの?」

パパ達は大きなため息をついた。

…トーコさんは兎も角、パパ達はかなり参ってるんだな。

「うーん…それは困る。」

ダディが言った。

「トーコさんみたいに自由奔放じゃ無かった分反動が大きいんですかね。」

パパが言った。

「ちょっと待って下さい。ふたりとも華さんが私みたいになったら困るってことを言いたいの?」

ふたりとも黙ってしまった。

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